1.
秋が近づいていることを感じました。夏は、あっという間に過ぎてしまいました。
ちょっと悲しいです。
しかし、落ち葉を見て嬉しくなりました。枯葉の香りが好きで、それは私を幸せにしてくれるからです。そして、 夏は終わりますが、私はこの夏の幸せな思い出がたくさんあります。
その素敵な 思い出は、枯葉の香りのように私を楽しませてくれます。
でも、たまにある日の思い出がとても強くて、他の日々は惑星のようにその日の周りを廻っている感じがします。昨年の夏の思い出は、ある日の前後に集中しています。
その時に私は、エルミタージュの上に大きな赤い月を見ました。それは、いわゆるスーパームーンということでした。(http://tanushinpiter.blogspot.ru/2014/08/blog-post_14.html)
今年の夏の最も記憶に残る一日はいつでしょうか?あとで分かるでしょう。
幸せな日がたくさんありました。その中の何日かについてお話します。
2.
7月にエルミタージュで、楽焼という日本の伝統的な陶器の展示会が開催されました。展示会の開催日には、エルミタージュの劇場で「能」が上演されました。私はそれを見れて幸運でした。
このイベントを見越して、2か月前、「能」をテーマとした講演に行きました。
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講師は小川さんです。 |
私にとってそれは幸せな偶然でした。
「能」は、ロシア人にとっては分かりにくいものでしたが、上演は神秘に満ちていて、私は感動しました。
そして面の表現における変化を観察するのは、面白かったです。
3.
次の日には、楽焼の家元、吉左衞門さんの講演を聞きに行きました。
彼の話に深い感銘を受けました。彼はとても賢い人です。
楽焼の家元、吉左衞門さんの講演の一部を訳してみました。逐語的な翻訳ではなく、大まかです。
私の家の近くに ある楽焼の美術館には小学生がよく来ます。 様々な色がありますが、どうしてここのお茶椀はすべてが黒いのかという質問をよくしてきます。 そのような時には私は混乱しています。 侘・寂について子供に説明するのは難しいですね。 でも、ある時は、大事な思い出として心に残っています。ある日、子供達が、 どうしてすべてのお茶椀が黒いのかと質問してきました。突然私は返事を思いつ きました。 これは夜空なんだよ! と答えました。 でも、ある男の子は、「それなら、はどこにあるの、月もないよ」と言いました。 私は、また何と答えれば良いか分からなくなりました。突然、ある男の子が、「これが星だ!」 と言いました。 他の子供達もここにも、ここにも星があると我先に言っていました。 彼らは、黒い茶碗の釉薬の表面の粗さに星と月を見つけました。 その瞬間には、子供達、宇宙、茶碗は繋がりました。
4.
そして、茶碗の展示会に行きました。その展覧会には二回行きました。
今年の夏の思い出も宇宙に関係があるようです。
展示会の題名は「茶碗の中の宇宙」というものでした。
各茶碗には宇宙の画像が取り込まれています 。
昨年の夏に、私はエルミタージュの上に大きい月を見ていました。
今年は、エルミタージュに来て、日本の茶碗に素敵な月を見つけました。

一年前、そのスーパームーンの日には、「毎年、夏はサンクト・ペテルブルグで過ごしたい」と考えていました。一年前、そのスーパームーンの日に、「毎年、サンクト・ペテルブルグで夏を過ごせたらどんなにステキだろう」と考えていました。
今は、宇宙を表す茶碗を見ていて、またそのことについて思いました。
私にとってはサンクト・ペテルブルクは日本にもっとも近い街です。
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展示会に幸せな日を見つけました。この茶碗は幸せな日と言います。 |
それで、今この街にいて嬉しいです。
最近、茶道の実演がエルミタージュで行われました。その催しも楽焼の展示会に関係がありました。
楽焼の展示会は、もうすぐサンクト・ペテルブルクを離れ、モスクワに行きます。
夏は去りましたが、いいことについての記憶を持ち続けます。
来年の夏も綺麗な月を見るために。
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茶器の 中に宇宙が描かれているとは!日本の良さを、タニアさんから教えてもらいました。スパシーバ。
ReplyDelete佐藤さん, I'm happy you read my article! いつもありがとうございます!
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