15 Nov 2014

サンクト・ペテルブルグの郊外にある木造建築博物館




ロシアの木造建築

ロシア特にその北西部では、18世紀まで伝統的な建築材は木材でした。
ロシアの木造建築の全盛期17世紀でした。当時、木造建築技術は最高水準に達していました。   当時の職人の技術の高さは、現代でも達成困難なほどだそうです。
当時の職人は、建物の耐久性を高めるために一切釘を使わずに 木材だけで建物を造っていました。職人の技の見せどころは、木造構造にいささかの欠陥もないように斧を使って木材を加工するところでした。
釘を使わなかった主な理由は、釘のまわりから木材が腐り始めるため、これをふせぐことでした。
 しかし、時代が進むと、次第に木材よりもっと丈夫な新しい建築材料が使用されるようになりました。 安い価格で建築するように設計するときだけに、木材は採用されました。
何世紀にもわたって耐えられる木造建物を造れる 職人たちも次第に姿を消してしまいました。

この技術を知る当時の職人たちは、誰も残っていません。徐々に17~18世紀の作風と建築技術は忘れさられ、今では完全に過去のものとなっています。19世紀になると木造建築は衰退していきました。
そして、木造建築は耐久性に乏しく、現在まで生き残った建築物は、ほとんどありません。



キジ島


 世界でも有名な木材の教会は、ある意味でロシアの木造建築の集大成であります。1714年にオネガ湖の キジという小さな島で「ロシア木造建築の奇跡」と呼ばれる建物が建てられました。
    完璧な技術で非常に複雑な建物が造られました。    この教会は、木造建築技術の頂点にたつものとして考えられています。そして、現在に至っています。





サンクト・ペテルブルグの郊外にある木造建築博物館

ボゴスロフカ

2003年に、 サンクト・ペテルブルグの近くに木造建築博物館を造る構想が発表されました。
この構想では、16-19世紀にロシア北西部の様々な地域で建てられた建造物が再現されることになります。この博物館の特徴は、 かつて実際に存在し、さまざまな理由で消えてしまった木造建築の傑作を再現することにあります。
この構想には、かっての木造の農家、要塞、教会、風車などを造ることが含まれています。 すでに、いくつかの木造建築物が完成しております。
ポクロ フスカヤ教会 


その中に1963年に焼失した教会です。6年前、この25個の玉ねぎ型の塔をもつ教会がここに再現されました。

教会の建設は1704年にさかのぼります。







サンクト・ペテルブルグからかなり遠い、オネガ湖近傍のヴィテゴルスキ・ポゴストという場所に建てられました。
1694年にピョートル1世は、この地域を視察するために、ここに来ました。

伝説よると、ある豊かな農家の息子が、ピョートル1世の不興を買って処刑されました。  この農民は、息子を記念してこの教会を建てました。ピョートル1世は、教会の造営を許可して、自分でこの教会の素案をすらすらと書いたそうです。


ポクロヴスカヤ教会。1704年に建てられた元の教会

サンクト・ペテルブルグの郊外にこの教会が再現されました。 この教会は最も優れた職人によって建てられました。 教会の装飾のために、サンクトペテルブルク·芸術アカデミーの専門家が参加しました。




教会の後ろに見える森林はネヴスキ・レソパルクという公園です
そこでも将来に歴史的な木造建物が建てられます。



教会の他に19世紀に豊かな農家が住んでいた家も建てられました: 

そして19世紀に存在した鐘楼も立っています:




教会は、平日10:00-1700で、週末10:00-1900まで開いています。






ロモノスヴスカヤ地下鉄の駅から、476番のバスで15分から20分がかかります。

 Усадьба Богословка. Покровская церковь (ポクロヴスカヤ教会).

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