31 Jan 2015

アレクサンドル・ サモフワロフ 。 ソビエト美術 ・ 社会主義リアリズム



最近、ソ連時代に人気があったロシアの画家の個展に行きました。その画家の名前は、アレクサンドル・サモフワロフ (1894 – 1971)です。
彼の作品は、特にソ連時代に興味がある人にとって面白と思います。
彼は絵画に新しい時代の人間のイメージを導入しました。ソビエト人のイメージ。

ソビエトの体育

 彼の絵の主人公は、工場労働者、農民、スポーツ選手建築労働者などです。
彼の特徴は、彼作った女性のイメージを通じて新時代の精神を伝えたことです

女性はいつの時代にも芸術家にとって霊感の源泉になっています。 しかし、女性美の理想は時代によって違います。
ソ連時代の画家から見た女性美についてお話しましょう。


これは、アレクサンドル・サモフワロフ のもっとも有名な絵です。 1937年のパリ万国博覧会、この絵は金メダルが与えられました。この絵は、 ソビエトのモナリザと非公式ながら呼ばれました。

この女性のイメージにはモナリザのように女らしさと力の組み合わせ見えるそうです。
 そして画家はこの絵において、特定の個人を描くことで、その時代の人間の一般化されたイメージを表現することに成功しました。


Girl in T-shirt (Tシャツを着た女性)




サモフワロフ は、ミケランジェロの作品に憧れていました。ミケランジェロのにおいて、肉体的な力で精神的な力を表現しました。 

 サモフワロフも女性の精神的な力を描き出しました。 彼の絵の女傑はたくましく、風格があって、自由な精神を持っている人物です。

特に、厳しい肉体労働をしている女性は、彼に賞賛されたようです。


彼の作品の中には地下鉄を造っている女性を描写した10枚の絵で構成されている連作があります。





«Builder of Metro»
  緊迫した体勢と衣服の襞 のおかげで、この画像は彫刻のように見えます。
ところで、このシリーズ連作の絵の高さは、2メーターです。サモフワロフは、大規模な絵を描くのが好きでした。


«Builder of Metro»


«Builder of Metro»

«Builder of Metro»

サモフワロフの絵には疲れた女性は登場しません。   それどころか、すべての女性のイメージは活力にあふれ、元気いっぱいです。古代の女神のように風格を持っています。

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この絵には、トロリーバスでチケットを売っている女性が描かれています。

 «Conductressа» (1928)  рус. "Кондукторша "

顔に当たっている光は、この画像に神秘主義的な表現力をもたらしています。彼女も女神でしょう :)


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砲丸を持っている女子スポーツ選手。
画家は、日光を浴びている女性が、内側からも活力で輝いているという印象を表現しようとしました。彼女は活力で輝いています。


Girl with the kernel (1933)   рус. "Девушка с ядром"


社会主義リアリズムの画家としてのサモフワロフの制作を嫌い、批判している人は多くいます。社会主義リアリズムの画家は、ソ連時代のイデオロギーとプロパガンダに従って制作をしていました。
それにもかかわらず、美術に詳しい人サモフワロフの絵高く評価しています。  彼の絵は、モスクワのトレチャコフ美術館にも国立ロシア美術館(サンクト・ペテルブルグ)にもあります。
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何枚のサモフワロフの作品はロシア美術館(サンクト・ペテルブルク)で第81ホールで見ます。



2 comments:

  1. hi,Tania! 今回のあなたのサモフワロフについてのブログも、楽しんで見せていただきました。僕はサモフワロフについて何も知らず、名前さえ知りませんでした。今回のあなたのブログに載っているサモフワロフの絵画を見ていると、スターリンの肖像画などとイメージが少し重なります。ですが、これはあくまで素人の僕の感想ですよ。「社会主義リアリズム」とは、ソビエト連邦を象徴する的確な言葉だと思います。実は、政治経済学の観点からいえば、江戸時代の日本社会は、封建制の影響下にある社会主義の社会でした。マルクスは、アメリカ人にとって危険思想のように思われていますが、彼は日本の江戸時代を称賛していました。僕は、必ずしも社会主義が悪い政治経済体制とは思いません。イデオロギーとして大衆を操作することに利用されなければ、多くの先進的な部分があると思います。事実、ノーベル経済学賞なども以前は西側陣営に偏っていましたが、近年は社会主義思想も見直す機運が出てきていると言われていますね。ロシアにおいて、ソ連時代の再評価が行われてきているのは、良いことだと思います。では、またね! 育弘

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    1. 育弘こんにちは! コメントありがとうございます!実は私はソ連時代が好きではありません。 それに私はソ連時代の美術に興味がありませんでした。でもサモフワロフの作品がおかしくて面白くて、この記事を書くことにしました。私の次の記事ではまたあるロシアの画家について話します。読んでいただければ、嬉しいです。

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